△が降る街
村崎羯諦(むらさき ぎゃてい)
・作者プロフィール
村崎羯諦[ムラサキギャテイ]
1994年・熊本県生まれ。小説投稿サイト「小説家になろう」にて短編小説の投稿を中心に活動を行う
①5分で読める ⭐⭐⭐⭐⭐
②おススメ度 ⭐⭐⭐⭐
③読みやすさ ⭐⭐⭐⭐⭐
④面白さ ⭐⭐⭐
⑤タイトルで楽しめる ⭐⭐⭐⭐⭐

皆さんは『小説家になろう』という作品をご存じでしょうか?
『小説家になろう』とは自分で書いた話をネット上に公開することができる日本最大級の小説投稿サイトで、
そこで『余命3000文字』という作品でデビューし、大きな話題を読んだ作者の待望の書籍化第2弾である『△が降る街』を紹介していきたいと思います。
この本は25編の物語からなる短編小説となっていますが、そのうちの抜粋した10編の物語を簡単に紹介したいと思います。
[△が降る街]
《あらすじ》
→『俺と麻里奈、付き合うことになったから』
私の街では時々、三角形が降る。
私と俊介と麻里奈、幼馴染の3人の関係を表したような△が降る街で、選ばれなかった私が抱く切ない思いとは……。
🌟見どころ🌟
→友達(親友)の好きな人を好きになってしまった。
応援したいけどしたくない、そんなもどかしい青春時代を思い出させてくれます!
[からあげが安くて、たくさん食べられるお店]
《あらすじ》
→私が引っ越した街には『からあげが安くて、たくさん食べられるお店』がある。
新居を紹介してもらった不動産屋、役所の受付係、道を尋ねる外国人、訪問販売員までもがしつこくそのお店を勧めてくるから、私は何があってもそのお店には行かないと誓った……。
🌟見どころ🌟
→タイトルから面白さが滲みでていて、内容もバカバカしいけどそれがまたいい。
またページの使い方が上手く、最後の1行は思わず笑っちゃいました😆
[折り畳み式彼氏]
《あらすじ》
→折り畳み式彼氏、充電式彼氏、私が今までに付き合った彼氏は一癖も二癖もあるような人だった。
そんな彼氏に振り回された私が出会ったのは浜岡さんという「何とか式」という特徴もない普通の男性だった……。
🌟見どころ🌟
→今までの彼氏と比べると何の特徴もない彼氏の最後のセリフに、思わず顔がにやけます笑
[浮気確率63%]
《あらすじ》
→私は突然、目の前にいる男性がどれだけの確率で浮気をするのかが分かるという能力に目覚めてしまった。
これまで何度も浮気男に引っ掛かり泣かされてきた私は、理想的な結婚を求めて、浮気確率が低い男性を探し求めるのだが……。
🌟見どころ🌟
→浮気はするほうが悪いのか、それともされるほうが悪いのか、それとも誘ったほうが…
[絶対に押さないでください]
《あらすじ》
→「このボタンを押した瞬間、地球が滅亡します」
自宅に正体不明のボタンを送り付けられた男に待ち受ける結末とは……。
🌟見どころ🌟
→絶対にボタンを押したくない主人公とボタンを押させたい人の戦い?が面白かった!
[食べられるゾンビ]
《あらすじ》
→四半期に一度。
工場にはゾンビにするための生きた人間が工場から送られてくる。
ゾンビウイルスが初めて現れた時、人々は驚愕した。
ウイルスに感染するだけで、あんなにも人間が美味しくなるなんて……。
🌟見どころ🌟
→やっぱりマヨネーズってなんにでも合うんだなーって思いました笑笑
[天国で待ってて]
《あらすじ》
→3か月ぶりの彼女との電話。それは他愛もない世間話や、お互いの気持ちを確かめ合ったりと幸せな時間だった。
ただその電話も終わりが来る。
なぜならそれは、3か月前に死んだ彼女の天国からの電話だから……。
🌟見どころ🌟
→今いる恋人をすごく大事にしようという気持ちになります。
[イケメンの匂いつき消しゴム]
《あらすじ》
→「お客さん、この消しゴムはですね、イケメンの匂いがするんです」
看板も見ずにふらりと入った文房具店で、色々な○○つきの商品をおススメされるがまま買ってしまった。
お店の看板も見ずに……。
🌟見どころ🌟
→タイトルで想像していた話ではなく、いい意味で裏切られ、最後の1行で話が見事に落ちてます!
[ゼンマイ仕掛けの恋]
《あらすじ》
→ネットに転がっている都市伝説。
数百人に一人の割合で現れる背中のゼンマイを誰かに巻かれてしまった人間は、そのゼンマイを巻いた人間を好きになってしまう。
付き合いたての彼女の背中にゼンマイがついていることを知った僕の決断とは……。
🌟見どころ🌟
→ハッピーエンドかと思いきや、最後に裏切られる感じが最高です!
[仕事と結婚した男]
《あらすじ》
→「そんなに働くのが好きだったら、仕事と結婚したらいいじゃん。」
彼女から言われたその一言で、俺は仕事と結婚することにした。
🌟見どころ🌟
→カップルの永遠のテーマである、恋人と仕事どっちを選ぶか問題。
まさかの仕事を選んだ際の世界線で、オチが素晴らしいです笑
どんな人におススメか
→読書初心者や活字が苦手な人
→バズっている作品を読みたい人
→ショートショートが好きな人
にオススメな作品だと思います!
読んだ感想
→良くも悪くも読んだ後に満足感が得られる作品!
わんこ蕎麦を食べるように1話1話をサクッと読むことができ、それでいてバイキングのように笑いあり涙あり、そしてブラックな一面もあったりと、ショートショートならではの楽しみがたっぷりと詰まっています。
数ある物語の中でも個人的には『からあげが安くて、たくさん食べられるお店』がお笑いのお手本みたいで、思わず「行っとるやないかい!」と突っ込んでしまうくらい面白かったので、ぜひ読んでもらいたいです😆

△が降る街 (小学館文庫)
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