あなたの死体を買い取らせてください
村崎羯諦
・作者プロフィール
村崎羯諦[ムラサキギャテイ]
1994年・熊本県生まれ。小説投稿サイト「小説家になろう」にて短編小説の投稿を中心に活動を行う

読みやすさ ⭐⭐⭐⭐⭐
満足度 ⭐⭐⭐
笑いあり、涙あり、ホラーあり⭐⭐⭐⭐⭐
皆さんは『小説家になろう』という作品をご存じでしょうか?
『小説家になろう』とは自分で書いた話をネット上に公開することができる日本最大級の小説投稿サイトで、
そこで『余命3000文字』という作品でデビューし、大きな話題を読んだ作者の待望の書籍化第3弾である『あなたの死体を買い取らせてください』を紹介していきたいと思います。
この本は24編の物語からなる短編小説となっていますが、そのうちの抜粋した8編の物語を簡単に紹介したいと思います。
あなたの死体を買い取らせてください
《あらすじ》
→『君の死体を買い取らせてくれ』
大病を理由にプロポーズを断った翌日、突然恋人からそう言われた、余命いくばくもない彼女がとった驚きの行動とは……。
🌟見どころ、感想🌟
→表紙の絵が物語っているように切ない物語です。
自分もこんなセリフが言えるような相手に巡り合いたいなとおもいました!
犬になる
《あらすじ》
→『人間生活に嫌気がさしたので、今日から僕は犬として生きようと思う』
ビシネスバッグと革靴を捨て地面に四つん這いになり、僕は犬となった。
🌟見どころ、感想🌟
→1行目から人間から犬になるという訳の分からない世界観とオチの最後のセリフに爆笑します笑
真夜中の校舎
《あらすじ》
→忘れ物を取りに真夜中の校舎を歩く2人
拓海は怖がる彼女を連れ自身の教室へと向かっていくが、どこかで『たっくん』と呼ばれた声が聞こえる。
その呼び名は1年前に付き合っていたが学校で首を吊って死んだ、彼女が呼ぶ名前だった。
🌟見どころ、感想🌟
→男女の肝試し的なやつかと思ったら、急にめちゃホラーです笑
にゃんだって!?
《あらすじ》
→『明日の深夜、人間に対して猫が戦争を起こすことになっていて』
飼い猫から戦争の開始を告げられた男に待ち受ける数奇な運命とは……。
🌟見どころ、感想🌟
→とにかくタイトルが1番面白い!
人間と猫の立場が逆転し、前半は笑い、後半はシリアスな雰囲気で面白いです!
永遠の青い春
《あらすじ》
→寄せては返す白波が立つ砂浜で抱き合う男女。
2人は愛を確かめるように何度も口付けを交わす。
僕らは思う。
この時間が永遠に続けばいいのに…。
🌟見どころ、感想🌟
→物語の雰囲気に飲み込まれたら、必ず最後に騙されます笑
ある意味これが近未来の愛の形なのかもしれません!
反抗期予防注射
《あらすじ》
→『反抗期予防注射』をお願いします。
赤ん坊を抱えた若い女性はさらに、医者がおススメする『売れないミュージシャンとの恋愛予防注射』と『売れない俳優との恋愛予防注射』の予防接種を赤ちゃんに受けさせる。
何の違和感も覚えずに……。
🌟見どころ、感想🌟
→タイトルから面白そうな予感!
若い女性がギャルっぽい口調なのも伏線だったり…笑
運命じゃなかった人
《あらすじ》
→『君たちは運命の人同士だって言ったじゃん。ごめん。あれ間違いだった。』
10年前に僕たちに運命の人だと告げた神様はそう言いながら、申し訳なさそうに手を合わせた…。
🌟見どころ、感想🌟
→運命の人は出会うものではなく、運命の人に『する』ものなんだとその視点が良かったです!
そして最後にはクスっと笑える結末が待っています笑
あなたになる
《あらすじ》
→『朝岡さんそのものになりたい』
入学式で朝岡さんを見てからずっと片思いをしていた僕は、ある日ふとそう思った。
その日を境に、僕は外見や持ち物、仕草など真似出来るものは全て真似した。
より、彼女に近づく為に……。
🌟見どころ、感想🌟
→学生の甘酸っぱい恋愛模様かと思いきや、どんどんサイコパスストーリーに変わっていきます笑
どんな人におススメか
『あなたの死体を買い取らせてください』は24編もの物語からなるショートショート集で、
面白系や感動系、どんでん返し系など様々な物語が楽しめます。
1つの物語を大体5分もあれば読み終えることが出来るので、この本は
・いろんなジャンルの物語を読みたい人
・すきま時間にサクッと読みたい人
そんな人におススメな作品だと思います!
読んだ感想
→村崎羯諦さん3作目のショートショート集ですが、感動系の話が多くあり、笑える系が好きな身としては少し物足りなさを感じました。
1,2作目と同じ内容に思える短編集ですが、今回はダークな部分もあったりと、村崎羯諦さん引き出しの多さには脱帽します笑
個人的には内容の面白さもさながら、タイトルが面白い『にゃんだって!?』や、最後の1行で思わず吹き出してしまう『犬になる』が好みの作品でした!!
気になった人は是非、読んでみて下さい😆

あなたの死体を買い取らせてください 5分で読めて、あっと驚き、わっと泣ける (小学館文庫)
コメント