望郷
湊かなえ
・作者プロフィール
湊 かなえ(みなと かなえ、1973年1月)は、日本の小説家。広島県因島市中庄町(現・尾道氏因島中庄町)生まれ。武庫川女子大学家政学部被服学科卒業。
・文学賞受賞歴
2005年 – 第2回BS-i新人脚本賞佳作入選。
2007年 – 「答えは、昼間の月」で第35回創作ラジオドラマ大賞受賞。
2007年 – 「聖職者」で第29回小説推理新人賞受賞。
2009年- 『告白』で第6回本屋大賞受賞、第2回大学読書人大賞第6位。
2009年 – 第3回広島文化賞新人賞受賞。
2010年 – 『贖罪』で第63回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補。
2011年 – 『告白』で第4回大学読書人大賞第3位。
2012年 – 「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。
2013年 – 『母性』で第26回山本周五郎賞候補。
2013年 – 『望郷』で第149回直木三十五賞候補。
2015年- 『絶唱』で第28回山本周五郎賞候補。
2016年 – 『リバース』で第37回吉川英治文学新人賞候補。
2016年 – 『ユートピア』で第29回山本周五郎賞受賞。
2016年 – 『ポイズンドーター・ホーリーマザー』で第155回直木三十五賞候補。
2018年 – 『贖罪』でエドガー賞(最優秀ペーパーバック・オリジナル部門)候補。
2018年 – 『未来』で第159回直木三十五賞候補。
2018年 – 『ブロードキャスト』で山田風太郎賞候補
湊かなえ – Wikipedia

①読みやすさ ⭐⭐⭐
②イヤミス ⭐⭐
③面白さ ⭐⭐⭐
④おススメ度 ⭐⭐
⑤家族、実家を思い出す ⭐⭐⭐⭐⭐
イヤミスの三大女王の1人として人気の湊かなえさんの作品の1つである『望郷』
このページでは『望郷』のあらすじや見どころ、読んだ感想をなどを紹介していくので、気になった方はぜひ読んでみて下さい!
あらすじ
→舞台は白綱島という都会から離れた島。
そんな閉鎖された島では島を憎むもの、島を愛すもの、島から逃げ出すが心は島に引きづられたままのもの、たくさんの人間が白綱島という小さな世界で故郷へ複雑な感情を抱きながら生きている。
この本は閉ざされた世界を舞台に複雑な心模様を鮮やかに描く、湊かなえさんの連続短編集(全6編)
自身も島で生きてきた湊かなえさんが『自分にしか書けない物語を書いた』と言い切る、日本推理作家協会賞を受賞した会心作!!
⭐見どころ⭐
味の違う6つの短編集!
→この本は、①みかんの花、②海の星、③夢の国、④雲の糸、⑤石の十字架、⑥光の航路 という6つの短編集で構成されており、白綱島で生きる人々を描いているのですが、似ているようでそれぞれ味が一味も二味も違います。
『みかんの花』では高校を卒業する前に駆け落ちして島を出ていった姉がキーマンなのですが、島を出ていった理由にどうしようもない悔しさが込み上がる。
『海の星』では、ある時、主人公が真野幸作というおっさんと出会い、その日からおっさんとの交流が始まるのですが、最後におっさんの持っていた秘密を知った時、おっさんの苦悩や葛藤が痛いほど頭に浮かびました。
『夢の国』ではタイトルの通りで、田舎の少女がとあるテーマパークに恋い焦がれる話なのですが、過去に縛られず、前を向いて歩いて行こうという気持ちになります。
『雲の糸』では主人公が小さい頃、母が父を殺害したことで島の人から一家は迫害を受けていました。当然、主人公は殺す必要はあったのかと母を恨んでいたが、最後に姉から真実を聞いた時、家族の温かさに心を打たれました。
『石の十字架』では、主人公のたった一人の親友とのお話なのですが、小さい頃から関係が続いている友達を大事にしていこうと思いました。
『光の航路』では、いじめ問題がテーマになっている作品なのですが、何か不安や失敗事があったとしても挫けずに、立ち上がっていこうと思いました。
短編集といってもどれもしっかりとした読みごたえがある作品なので、この本で6冊の本を読んだような、得した気分になると思います!!
どんな人に読んで欲しいか
→短編小説が好きな人
→映画化された作品を読みたい人
→イヤミス以外の湊かなえ作品を読んでみたい人
にオススメな作品だと思います!
読んだ感想
→イヤミス要素はほとんど無いので、正直な感想をいうと湊かなえさんのあのクセの強いイヤミスが好きな人は、あまり好みではないと思います。
個人的には『みかんの花』と『雲の糸』の2つが好きで、家族の愛情が感じられ、物凄く実家に帰りたくなりました。
イヤミスではなかったので少しガッカリしたのですが、読み終わった後に凄く考えさせられる短編集なので、分からない人は解説を見るなどしてじっくり読みこめば、何か強く心に響いてくるような、そんな考え深い作品でした。
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