殺人鬼フジコの衝動
真梨幸子
・作者プロフィール
真梨幸子(まりゆきこ) 日本の小説家、推理作家 宮崎県生まれ
座右の銘は「読者をだますにはまず自分から」
『孤虫症』で第32回メフィスト受賞してデビュー
2008年にに刊行した『殺人鬼フジコの衝動』が50万部を超えるベストセラーとなり、その後も心の奥底にある人間の感情をえぐり出して暴き、読者は「見たくない」と思っているのに先を読み進めたくなってしまうような作品を次々と発表し、湊かなえや沼田まほかるらとともにイヤミス(読んだ後にイヤな後味が残るミステリー)の旗手として注目される
真梨幸子 – Wikipedia
・文学賞受賞歴
2005年4月 第32回メフィスト賞 『弧虫症』 受賞
20015年5月 第28回 山本周五郎賞 『人生相談』 候補
2017年10月 第13回 本屋大賞 『ふたり狂い』 候補
2017年 第11回 啓文堂大賞 『人生相談』 候補
真梨幸子|文学賞の世界 (prizesworld.com)

①イヤミス ⭐⭐⭐⭐⭐
②おススメ度 ⭐⭐⭐⭐⭐
③読みやすさ ⭐⭐⭐⭐
④面白さ ⭐⭐⭐⭐⭐
⑤怒涛のラスト ⭐⭐⭐⭐⭐
イヤミスの三大女王として人気のある真梨幸子さんの作品の1つである『殺人鬼フジコの衝動』
ここではそんな『殺人鬼フジコの衝動』に少しでも興味を持ってもらえるように、この本のあらすじや見どころ、読んだ感想などをお伝えしています!
主な登場人物
・森沢藤子 (もりさわ ふじこ)
→通称『殺人鬼フジコ』
迷宮入りした『中津区一家惨殺事件』の生き残り
悲劇を乗り越え懸命に生きるがやがて、整形手術依存へ陥り、少なくとも15人を殺した伝説の殺人鬼へと変貌していく。
・下田茂子(しもだ しげこ)
→フジコの母親の妹で事件後にフジコを引き取り、やたらと世話を焼いてくれた育て親
カルト宗教Q教団の信者
・小坂恵美(こさか えみ)
→フジコの小学生時代のクラスメイト
成績優秀で学級委員長も務めていたが、クラスでは浮いていた
・辻山裕也(つじやま ゆうや)
→大学3年生でフジコが15歳の時に付き合った彼氏
後に半ば脅迫のような形でフジコと結婚する事になる
・大月杏奈(おおつき あんな)
→フジコとは性格が真逆だが親友のような存在で、高校生の頃にバイト先で仲良くなった
アイドルのような可愛らしいルックスをしている
・高津区一家惨殺事件
→昭和46年10月26日に起きた事件で父親と母親、そして妹の体がばらばらになった状態で殺されており、3人の首は切断され玄関に並べられていた。
残る長女は首を切り付けられていたものの、一命を取り留めていた。
あらすじ
→『私は蝋人形、おがくず人形……。』
10数人を殺害した罪で死刑になった伝説の女、通称‘‘殺人鬼フジコ‘‘。
彼女は、11歳の時に起こった一家惨殺事件のただ一人の生き残りだった。
悲劇を乗り越え新しい人生を歩もうとしていた少女は、なぜ稀代の殺人鬼恐れられる悪女へ変貌したのか。
フジコを知るあある人物の遺した記録小説という形で、謎と悲劇に満ちたフジコの一生を描いていく。
最後の一行を読んだとき、あなたは著者が仕掛けた企みに戦慄する、サスペンスミステリー!!
🌟見どころ🌟
①文章の違和感
→本書には巧みな叙述トリックが施されており、話し手の主観が途中で自然に切り替わっています。
そのまま読み続けて行くと途中で??となる場面があり、そこに気づけるかどうかで読者のミステリーレベルが試されると思いますので、是非、話し手に注目して読んでみて下さい!
②殺人の動機
→伝説の殺人鬼として恐れられていたフジコ一体なぜ人を殺したのか?
その理由は単純で欲しい洋服が買えなかったからと店員を殺したり、整形していることを鼻で笑われたから殺したりと虫を潰すような感覚でどんどん人を殺していきます。
そんなフジコのサイコっぽさにも是非、注目してみて下さい!
どんな人におススメか
→イヤミスが好きな人
→真梨幸子さんの作品が好きな人
→二度読み必須の作品が好きな人
にオススメな作品だと思います!
読んだ感想
→真梨幸子さんの作品の中で最も人気のある作品がおそらくこの『殺人鬼フジコの衝動』なのですが、流石の一言でTheイヤミスだった。
イヤミス作品にはいじめや女の妬み、殺人などが描かれることが多いが、まさにそのオンパレードで読んでいて良い気持ちになる事は一切ないが読み進める手が止まりませんでした。
(個人的には、裕也に結婚を持ちかける描写が恐ろしかった😨)
また本書には『インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実』という続編もあるので、気になった人は是非そちらもご覧ください😝
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