【ネタバレ】真梨幸子『初恋さがし』考察を含む内容解説!感想など

真梨幸子
スポンサーリンク

初恋さがし

真梨幸子






イヤミスの三大女王の1人として人気のある真梨幸子さんの作品の1つである『初恋さがし』


このページでは『初恋さがし』のネタバレ、内容解説をしていきますので、本書をまだ読んでない人は見ないことをオススメします!









①イヤミス  ⭐⭐⭐

②おススメ度  ⭐⭐⭐⭐

③読みやすさ ⭐⭐⭐

④面白さ    ⭐⭐⭐⭐

⑤タイトル詐欺  ⭐⭐⭐⭐⭐


スポンサーリンク

主な登場人物とその関係性


・山之内光子(やまのうち みつこ)

→ミツコ調査事務所という興信所の所長





・根元沙織(ねもと さおり)

→光子が事務所を立ち上げた時からのスタッフで山之内光子の妹

副業として、エログロという風俗店で働いていた





・永山乃亜(ながやま のあ)

→ミツコ調査事務所の元スタッフで光子と沙織の腹違いの妹

エログロという風俗店で働いていた





・梶山菜々花(かじやま ななか)

→都内の大学に通っており、軽音サークルに所属している

資産家の家系で親が無くなった事もあり、19歳にしてお金持ちとなっている





・松金由佳利(まつかね ゆかり)

→菜々花の所属する軽音サークルの先輩

クレジットの使い過ぎによる借金返済の為に風俗店で働いており、その反動で金持ち(菜々花)を憎んでいる





・住吉隼人(すみよし はやと)

→菜々花と由佳利の所属していた軽音サークルのOB

横領やセクハラ、パワハラなどの理由により勤めていたテレビ局をクビになる





・池上隆也(いけがみ たかや)

→50代半ばくらいの弁護士

以前、脳梗塞にかかっていた




・日高定子(ひだか さだこ)

→負けず嫌いで執念深い性格

エログロという風俗店で№1の風俗嬢だけが名乗ることの出来る『ブラック・ダリア』の源氏名で働いていたが、根元沙織に奪われてしまう

そのことが原因で根元沙織と揉め、風俗店をクビになる






スポンサーリンク

事件の真相



→本書では7つの話から構成されており、


その中でも『サークルクラッシャー』『エンサイクロペディア』の2つの話が印象的だったので、その2つを深堀していこうと思います。


サークルクラッシャー


・死者

→梶山菜々花


・なぜ?

→熱海のマンションから飛び降りて、自殺した


🌟真実

→住吉隼人と梶山智子は恋仲であり子供を儲けるも、住吉は他の女と結婚する。


その後、住吉はガンになり最後に父親としての責任を果たすために自分の死後、認知をして財産をさせたいと光子に言っていた。


しかし本来の目的は、身寄りの居ない菜々花を利用し、自分の子供ではないが一方的に父親となり、菜々花の持つ遺産を奪う事だった。

だが、計画通りに遺産を手にした住吉はその後失踪してしまう。


そして遺産を手にしたのは住吉隼人の結婚相手であり、菜々花の大学の先輩である松金由佳利だった。


億万長者となった後輩の菜々花の事をよく思っていなかった由佳利は、偶然か否か、最終的にその遺産を手にするのであった。








エンサイクロペディア


・死者

→日高定子



・なぜ?

→インターペディア(Wikipediaのようなもの)に日高定子に関する記事があり、そこでは自分のプロフィールや職場の情報が載っていた。


飼っているウサギが行方不明になるなど、たびたびその記事が更新されるがその情報は現実となっていた。

そしてインターペディアに『日高定子は惨殺死体で発見される』という一文が追加され、現実となった。



🌟真実


惨殺死体は日高定子ではなく、根元沙織

インターペディアの記事やウサギを殺したのも日高定子自身であり、自作自演。

ウサギの死体は自分をないがしろに扱ったビルの管理人の男(日高定子の祖父)に見つけさせ、その男を犯人に仕立て上げ社会的に抹殺しようとした。








黒幕



黒幕は永山乃亜だった!?

物語のラストに乃亜が悪い奴だったと判明します。

その理由を改めて振り返りたいと思います!






理由① 永山乃亜と関わった『先生』と称される男性は乃亜に家庭を壊され、死んでいる


→乃亜は『先生』」と名の付く職業に異常に執着しており、ミツコ調査事務所を追い出された後、池上隆也の弁護士事務所のスタッフとして採用された乃亜は、妻がいた隆也を誘惑し、略奪婚を行った。

前妻は隆也が糖尿病にならないように食生活に気を付けていたが、乃亜は食事の管理を全くせず、偶然かはたまた計画通りか、隆也は糖尿病で死に至った。






理由② 池上隆也に嘘の証言をしている


→日高定子殺害の事件関して、乃亜は自作自演だという事を知っていた。

しかし、隆也に根元沙織が怪しいという嘘の証言をしていた。

沙織を犯人とすることで乃亜にメリットがあったのか??





理由③ 日高定子などに完全犯罪の方法を教えていた


→乃亜は悪事(犯罪)のやり方を日高に教えていました

さらに橋中智樹の死に関しても、乃亜が夫の殺し方を慶子にアドバイスしていました。






これらの内容で乃亜がいかに悪い奴だったか分かります。

しかしながら、疑問点はまだ残っています。

次はその考察をしたいと思います。





疑問点①隆也に沙織が怪しいと助言した理由

→隆也に沙織が犯人だと伝えることでそれが光子に伝わり、妹に裏切られたショックを与えられると乃亜は考えた




疑問点②日高定子が根元沙織を殺した経緯

→乃亜はミステリー好きで、目障りな人間を消し去る方法を頭の中で計画する癖があった。

沙織と光子によって光子調査を追いだされた事を根に持ち、日高に根元沙織を消す方法を教えた。

もともと根元沙織と確執のあった日高は、教えてもらった完全犯罪の方法で沙織を殺したのではないかと思います。




読んだ感想


→とにかく『初恋さがし』というタイトルと中身のギャップが凄い!!

ちょっとは恋愛にまつわる可愛い話かなと思いましたが、さすがは真梨幸子さん、全然そんなことはなかったですね笑

最初の物語を見て一話完結と思ったら次第に話が繋がって、その部分も騙されました。

個人的にはサークルクラッシャーに出てくる梶山菜々花が、何もしてないのに酷い目にあって、読んで一番もやもやしました😣


初恋さがし (新潮文庫)

コメント

タイトルとURLをコピーしました