彼女はもどらない
降田天
・作者プロフィール
降田 天(ふるた てん)は日本の小説家、推理作家。萩野 瑛(はぎの えい)と鮎川 颯(あゆかわ そう)が小説を書くために用いている筆名のひとつ。日本推理作家協会会員。
萩野 瑛1981年9月生まれ。茨城県常陸大宮市出身。女性。早稲田大学第一文学部総合人文学科卒業。辞書の編集プロダクション勤務を経て、小説家に転身。プロットを担当している。鮎川 颯1982年3月生まれ。香川県三豊市三野町出身。女性。香川県立丸亀高等学校、早稲田大学第一文学部総合人文学科卒業。法律事務所勤務を経て、小説家に転身。執筆を担当している。子供の頃から本を読んだり文章を書いたりするのが好きだった。大学時代に自分1人で小説を書いていて、小説の執筆の他にやりたいことはない、と思う一方で、自分で書いた作品が面白いとは感じなかった。そんな中で、書いた小説を萩野に読んでもらうと、彼女から的確なアドバイスを受けた。このことが、一緒に活動しようと思うきっかけとなった
降田天 – Wikipedia
・文学的受賞
2007年、鮎川はぎの名義で「横柄巫女と宰相陛下」が第2回小学館ライトノベル大賞〈ルルル文庫部門〉期待賞を受賞、小説家としてデビューを果たす。
2014年、「女王はかえらない」で第13回『このミステリーがすごい!』大賞(宝島社主催)の大賞を受賞
2018年、「偽りの春」で第71回日本推理作家協会賞受賞(短編部門)
降田天 – Wikipedia

①読みやすさ ⭐⭐⭐
②イヤミス ⭐⭐⭐⭐
③面白さ ⭐⭐⭐⭐⭐
④おススメ度 ⭐⭐⭐⭐
⑤後半一気読み ⭐⭐⭐⭐⭐
2014年に『女王はかえらない』で第13回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞し、ミステリー作品に定評がある降田天さん
このページではそんな降田天さんの作品の1つである『彼女はもどらない』のあらすじや見どころ、感想などを紹介していくので
気になった方はぜひ読んでみて下さい!
主な登場人物
・綾野楓 (あやの かえで)
→児童雑誌の編集者であり、期待のエース
・悟 (さとる)
→楓と事実婚している夫
・ソラパパ
→子供のコスプレ衣装を百均で作るというブログで今、人気が出ているブロガー
・棚島 (たなしま)
→国家公務員として日々、激務に追われながら妻に代わって一人で娘を育てている
・深雪
→棚島の妻
ベランダから転落し、現在は病院で寝たきりの生活を送っている
あらすじ
→『貴方は本当に娘を愛していますか。』
雑誌編集者の楓は、仕事の関係で娘の衣装を自作する人気のブログを見つけるが、子供の為ではなく自分の自己満足のために衣装を作っていると感じ、ある日ブログに批判的なコメントを書き込む。
そしてで、それがきっかけで楓は自身の過去を匿名掲示板で晒され、陰湿なストーカー被害に遭うようになった。
一方、寝たきりの妻を抱える官僚の棚島は、家庭や職場でのストレスを解消するため、自身のブログでしつこく絡んできた人物を破滅に追い込もうとする。
ネット上の2人が現実で交叉したとき、仰天の真実が浮かび上がる!?
終盤の畳みかけるどんでん返しの連続に、心が震える傑作ミステリー作品!!
⭐見どころ⭐
①『このミステリーがすごい!』で大賞を取った作者
→作者の降田天さんは実は、大学からの友人である萩野瑛と鮎川颯からなる作者です。
そして、『女王はかえらない』という作品で『このミステリーがすごい!』で大賞を獲得。
この本『彼女はもどらない』は複線の張り方や決着のつけ方の巧みさに、その大賞作品を超えたと言われる作品となっています!
②圧巻のどんでん返し劇!
→ミステリー作品ではある程度、自分で犯人を予想しながら読んでいく人が多いと思います。
しかし、この本は予想の斜め上を行き、ネット上では『してやられた』という人が続出しています。
物語の真実が分かった時、必ず2度読みしたくなると思います!
どんな人に読んで欲しいか
→降田天さんの作品が好きな人
→イヤミス作品が好きな人
→後半に一気読みしちゃうような作品が好きな人
にオススメな作品だと思います!
読んだ感想
→この本は、楓がとある人気ブロガーに批判的な書き込みをしたことから物語が進んでいきます。インターネットの誹謗中傷は日常茶飯事だが、いつ自分もSNSで起こる事件の加害者や被害者になるか分からない。
インターネット社会の恐怖を改めて考えさせられました。
さらに、何よりこの本の最大の見どころは259ページにあると思っています。
259ページからの衝撃の展開で真実がどんどん明らかになっていき、久しぶりに後半一気読みした作品でした!!
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