【ネタバレなし】降田天『偽りの春』あらすじ、見どころ紹介!感想など

短編集
スポンサーリンク

偽りの春


降田天











読みやすさ ⭐⭐⭐⭐

満足度 ⭐⭐⭐⭐⭐

犯罪者の気分 ⭐⭐⭐⭐⭐







2014年に『女王はかえらない』で第13回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞し、ミステリー作品に定評がある降田天さん


このページではそんな降田天さんの作品の1つである『偽りの春』あらすじや見どころ、感想などを紹介していくので、気になった人はぜひ読んでみて下さい!








スポンサーリンク

物語の構成


この本は

①鎖された赤

②偽りの春

③名前のない薔薇

④見知らぬ親友

⑤サロメの遺言


5つの物語からなる短編集となっており、


物語のカギとなるのは神倉市にある神倉交番前に勤務する狩野雷太

彼が5つの物語全てに絡んでいくという展開になっています。




狩野には『落としの狩野』という異名があります。

警察官のいう『落とし』とは相手に罪を白状させることです。


この本の帯でもある『このおまわりさんからは逃げられない』という部分に注目して読んでみると、さらに面白いと思います!








1.鎖された赤


『僕は少女を誘拐し、神倉市のある場所に監禁している』


→大学生の宮園尊は少女を監禁して世話をするという、普通の人とは違う性癖を持っていた。

そんな欲望を抑えきれず、尊は綿密な計画を立て少女を誘拐する。

がしかし、少女を監禁している蔵の鍵を失くしてしまい、最後の手段として交番に頼ることに。

交番には『落としの狩野』という取り調べの天才がいるとも知らずに……。





🌟見どころ🌟


徐々に追い詰められる緊張感!


→尊の気持ちになって読んでみて下さい。

犯罪者が落とし物の相談で一般市民の振りをして交番に行くんです、変に動揺して勘付かれたら即アウトの状況。

犯人視点で読んでみると緊迫感がかなりあって面白いです!









2.偽りの春


→高齢詐欺グループのリーダー、水野光代は、手足として使っていたはずの仲間に金を持ち逃げされてしまう。さらに、彼女の元に過去の犯罪をネタに、一千万を要求する脅迫状が届く。

逃げることも出来たがこの街にまだいたい理由があった光代は、強引な方法で一千万円を強奪する。

成功したと思われたその時、1人の警察官が彼女に声をかけてきて……。






🌟見どころ🌟

孫に優しいお婆ちゃん!


→欲しいものをなんでも買ってくれたり、お小遣いをくれたり、いつだってお婆ちゃんは孫に甘いものですよね。

詐欺グループのリーダーである光代もそういった一面が見れて、心はちゃんとお婆ちゃんなんだなと感じます(笑)








3.名前のない薔薇


『職業は泥棒』


→洋画が好きでかっこいい男に憧れていた絵坂祥吾は、そんな影響か40歳を過ぎた今でも、何度も逮捕されながらも泥棒を続けていた。

そんな時、母親の入院先で看護師の浜本理恵と出会い、彼女からもうアピールを受ける。

絵坂は自分が泥棒であることを告げ、彼女から身を引こうとするが、泥棒である証拠として隣町の薔薇屋敷から薔薇を一輪盗むことを要求される。

彼女の為に薔薇を盗むが、別件で警察に捕まってしまう。

4年後、出所後に見た彼女は、新種の薔薇を生み出した園芸家として人気になっていた……。







🌟見どころ🌟


変貌した彼女!


→4年後に『美人すぎる園芸家』としてテレビに出るようになった浜本理恵。

しかし、以前の彼女の面影はなく、とげのある薔薇のように醜くなっていました。

再開した2人が歩む人生とは…








4.見知らぬ親友


『誰にも言わないから』


美術学生の渡辺美穂は生活費や学費を賄うためにピンクサロンで働いていた。

がしかし、バイト先を出たところを同じ美術学生の米原夏希に目撃されてしまう。

その後、彼女と親友関係になった美穂は夏希の提案で同居することになったが、あの一件で夏希の意見に逆らえず、奴隷となった感覚で日々を過ごしていた。

卒業するまでの辛抱だと思って耐えていたがストレスが爆発し、ちょっとした出来心で殺害予告のメッセージを夏希のスマホに設定し、睡眠薬で眠らせた。

その翌日、夏希が駅のホームに転落し入院することになり、警察が美穂に疑いをかけやって来て……。






🌟見どころ🌟


女の友情の嫌な部分!

→女性の会話で、表面的には相手を褒めながらも実は嫌味を言っているみたいなことはありませんか??

美穂は弱みを握られている立場から、夏希の事をどうしても好きになりません。

そんな2人の関係が加速するラストに注目です!








5.サロメの遺言


『狩野雷太なら話をしてもいい』


人気声優、詩杜エミリが自宅で服毒による中毒死で死んでいた。

容疑者はエミリが声優として出演した作品の作者である、高木カギこと大久保恭。

彼の自宅からは、服毒に使われたと思われる青酸カリが発見され逮捕されるが、黙秘を続け、狩野雷太を連れてくることを要求する。

一体、彼と狩野雷太にどんな関係があるのか!?






🌟見どころ🌟


狩野雷太の過去!


→元刑事で『落としの狩野』とまで呼ばれたが、行きすぎた取り調べで容疑者を自殺に追い込んだ狩野の過去がこの章で明らかになります。

容疑者の黙秘を続ける理由、狩野の過去、見知らぬ親友の内容が絡み合い、これまでとは違った少し重めな話になっています!









スポンサーリンク

こんな人におススメ


『偽りの春』は軽め~重めのテーマの5つの短編からなる作品で、容疑者と警官の心理戦が面白さの軸となっており、犯罪者目線で物語が始まります。

なのでこの本は

.サクッと満足感のある作品を読みたい!
.登場人物の気持ちに感情移入できる作品が好き!


そんな人におススメの作品だと思います!








感想


この本の帯の『5人の容疑者VSチャラい警官の心理戦ミステリ』という見出しと表紙の独特な雰囲気で気になって読んでみたが、満足感が大きい作品でした!


短編集とは知らずに買ったがどれも面白くて、特に狩野のキャラが魅力的だった。


ミステリー系だと大体が被害者側の気持ちになることが多いのですが、この本では容疑者側!

しかも取り調べを受けているかのような気持ちになるので、読んでいて緊張感がありました。


気になった人は読んでみて、悪いことはしないようにしましょう😆



偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理 (角川文庫)

コメント

タイトルとURLをコピーしました