何様ですか?
枝松 蛍
・作者プロフィール
2015年の第14回『このミステリーがすごい!』大賞で、楓蛍名義で応募した『病の終わり、もしくは続き』が最終候補に残るも受賞は逃す。しかし、隠し玉として、加筆修正を加えた後に『何様ですか』と改題し、2016年7月に宝島社文庫より小説家デビューする。

①読みやすさ ⭐⭐⭐⭐
②イヤミス ⭐⭐⭐⭐
③面白さ ⭐⭐⭐⭐
④おススメ度 ⭐⭐⭐
⑤どんでん返し劇 ⭐⭐⭐⭐⭐
2015年の第14回『このミステリーがすごい!』大賞で受賞には至らなかったが、将来性を感じた作品【隠し玉】に選ばれ注目を浴びた『何様ですか?』
このページでは『何様ですか?』のあらすじや見どころ、感想などを紹介していくので、気になった方はぜひ読んでみて下さい!
主な登場人物
・平林美和
→ショートカットの似合う細身の美人
クラスで1,2を争うほどの美人だが過去に受けた辛い経験から性格が卑屈になり、1人で行動している。
・倉持穂乃果
→美和と同じく美人でクラスのマドンナ的な存在
美和とは対照的に明るく社交的で、生徒会長ということもあり、交友関係が広いので人望がある
・戸塚原
→美和のことが気になっている男子
クラスでどのグループにも馴染めておらず、いつも一人ぼっちで本を読んでいる
あらすじ
→女子高生の平林美和は中学時代に、再婚した父親から性的暴行を受けていた。
その影響で性格は暗く常に他人を見下しており、自分が特別な存在だと思い込むような一種の中二病の状態になっていた。
そして、心の歪みは日々エスカレートしていき、美和の代わりに父親に殴り殺された弟 ‘‘ユウちゃん‘‘を内面化しその囁きに従ってファイナルプランと名付けられた大量殺人計画を遂行しようとする。
沢山の人を殺した後、自分も死ぬことで容姿のいい美和であれば日本中が驚き、絵になると考えていた。
一方でクラスメイトの倉持穂乃果は美和とは真逆の性格で社交的で明るく、自らの日常や読んだ本の感想をブログに書き連ねていた。
そんな倉持を嘲笑しながら美和は着々と計画を進めるが、ファイナルプランの実行当日、衝撃の展開が巻き起こる!!?
第14回『このミステリーがすごい!』で惜しくも落選するが、編集部の猛プッシュにより満を持して出版されたされた、旋律のブラックどんでん返し!!
見どころ
①夢授業という名の講演会での質疑応答シーン
→美和が通っている錬成館高校のOBであり,小説家の星村しおりが来て、夢授業という名の講演会をする場面があるのですが、面白いのは星村しおりのつまらない自慢話が終わった後の質疑応答シーン。
普通は作家に聞きたいことや、本のことについて質問したりするのだが、このシーンでは星村の容姿への批判や作品内容への批判など、罵倒や中傷とも言えるような質問が相次いでいました。
生徒たちの辛辣な言葉に必死に受け答えしている作家の、現実ではありえないような光景はまさに、見どころとも言えます!!
どんな人に読んで欲しいか
→イヤミス作品が好きな人
→枝松蛍さんの作品が好きな人
→終盤で一気に変わるどんでん返し劇が好きな人
にオススメな作品だと思います!
読んだ感想
表紙の絵のタッチが好きで読み始めた作品で、平林美和→戸塚原→倉持穂乃果の順にそれぞれの人物からの視点で物語は構成されています。
この本は、話のオチのどんでん返しを目玉としているのですが、その部分で賛否が分かれていています。特に批評が多く目に留まったのですが、個人的には結末でまんまと騙されて、とても面白かったです😆
しかし、批評があったように設定に違和感が出る箇所があるので、作品を細かく見る人にはあまりおススメできないかも知れません。
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