教室が、ひとりになるまで
浅倉秋成

推理小説や青春ミステリーとして人気の『六人の嘘つきな大学生』や『俺ではない炎上』の作者である浅倉秋成さん
今回はそんな浅倉秋成さんの本格ミステリ大賞、日本推理作家協会の候補にまで選ばれた『教室が、ひとりになるまで』のあらすじや見どころ、実際に読んだ感想を分かりやすく紹介していきたいと思います!!
読みやすさ ⭐⭐⭐
満足度 ⭐⭐⭐
陰キャと陽キャの価値観 ⭐⭐⭐⭐⭐
・重要キーワード
受取人
→北楓高校には常に4人の超人的な能力を持った生徒が在籍しており、能力は卒業と同時に在校生へと代々引き継ぐのが習慣になっている。
その能力を受け取ったものを『受取人』と呼ぶ
主な登場人物
・垣内友弘(かきうち ともひろ)
→2年A組の生徒であり、美月の幼馴染で同じマンションに住んでいる
受取人の1人
・白瀬美月(しらせ みづき)
→2年A組の生徒であり、3人目の自殺後以降、不登校になっている
・小早川燈花(こばやかわ とうか)
→1人目の自殺者で2年B組の中心的存在だったが、女子トイレで首を吊って自殺した
・村嶋竜也(むらしま たつや)
→2人目の自殺者で2年A組の生徒であり、元バスケ部のエース
校舎から飛び降り自殺した
・高井建友(たかい けんゆう)
→3人目の自殺者で、2年A組のムードメーカー
校舎から飛び降り自殺した
・八重樫卓(やえがし すぐる)
→2年A組の生徒であり、サッカー部所属
垣内と共に事件の真相を突き止めようとしている
あらすじ
→『さようなら。もう二度と会いたくない、✖✖の友達たち』
私立北楓高校で起きた生徒の連続自殺。
1人目は学校のトイレで首を吊り、2人目、3人目は校舎から飛び降りた。
『私は教室で大きな声を出しすぎました。調律される必要があります』という、同じ文言の遺書を残して。
垣内友弘にとって3人の死は疑いようもなく自殺ーーのはずだった。
『3人とも自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの、死神に……』という白瀬美月の言葉を聞くまでは
『全員が本当に仲いい最高のクラス、最高の学年』をスローガンに掲げていた教室でなぜ『自殺』は起きたのか。
犯人と思われる死神とは一体何者か……
証不可能な罪。裁くチャンスは、一度きり。
伏線の狙撃手が贈る、慟哭の本格青春ミステリー!!
🌟見どころ🌟
①制限付き特殊能力を生かした心理戦
→能力者によるバトルものはいつだって読者の心を鷲掴みにしています。
そんな中でも、『僕のヒーローアカデミア』や『うえきの法則』などの制限付きの特殊能力は、その複雑な設定の中での戦いで、さらに面白さが増している作品だと思います。
本書はTHEバトルものではありませんが、
『嘘を見破る能力』ただし、同一人物に対し3回までの使用で、発動条件は体に瞬間的に強い痛みを与えること
などの4つの特殊能力を持つ生徒が物語の中心となっています。
能力を活かし事件の真相を突き止めていく描写は、誰が読んでも面白いでしょう!
②生徒の不可解な死
→北楓高校で起こった不可解な連続死。
クラスの中心とも言える人物が首を吊って自殺。
その次の週に2人目が校舎から飛び降り、さらにその2週間後に3人目が校舎から飛び降り、自殺した。
しかし、クラスは仲の良い最高のクラスだと言います。
果たしてそんな最高のクラスで自殺が、それも連続で起きるのでしょうか??
③見事な伏線回収
→この本の紹介文で『伏線の狙撃手』とあるように、浅倉秋成さんの作品は最後の伏線回収秀逸なのも人気の1つです。
本書でもまさにそうで、何気なく読んでいた箇所が伏線の一部だったり、2度読みしたくなる作品になっています。
是非、伏線の箇所にも注目しながら読んでみて下さい!!
どんな人におススメか
→謎解きや推理系の物語が好きな人
→浅倉秋成さんの作品が好きな人
→伏線回収が気持ちいい作品が好きな人
にオススメな作品になっていると思います!!
読んだ感想
→物語の前半は、主人公が仲間と共に能力を駆使しながらの真犯人探しに、自分も一緒に探している気持ちになりドキドキ。
中盤は、死神の未知の能力を探っていくのだが、その描写は探偵にでもなったかのような気分になる。
そして後半には、生徒同士の本音のぶつけ合いや気付かされる伏線の数々。
見どころポイントがジェットコースターのように幾つもあり、終始面白く読めました!!
伏線に気付いた時には必ず2度読みしたくなると思います(笑)
気になった人は是非、読んでみて下さい😆

教室が、ひとりになるまで (角川文庫)
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