イヤミス通であれば誰しもが知っている『暗黒女子』
このページでは『暗黒女子』の内容を細かく深堀していこうと思います。
ネタバレを含みますので、未読の方は1度読んでからご覧下さい!

女子高のカリスマ的存在でトップに君臨していたいつみの死。
事件解決へのカギとなるのは、死んだときにいつみが持っていたすずらんの花。
容疑者と疑われた文学サークルの部員は、いつみの死に対して何を知っているのでしょうか。
部員5人による朗読内容
・二谷美礼の考察
犯人は古賀園子
→父親の様子がおかしいと感じたいつみが父の書斎で学校指定のハンカチが落ちていることに気づく。
そのハンカチにはゲランのミュゲの香りが染みついており、その香水を使っているのは古賀園子ただ1人。
いつみは父が園子に誘惑されていると激怒し、書斎に隠しカメラを仕掛け証拠をつかもうとしていた。
園子がいつみの父親を誘惑していた事がバレて、口封じの為にいつみを殺したのだと、美礼は思っている。
すずらんの花との関係性
→すずらんの香りがする香水を園子が使っている。
・小南あかねの考察
犯人は二谷美礼
→ある日、美礼にしつこく付きまとわれている事でいつみから相談を受ける。
美礼はいつみの弟の家庭教師をしている事からけってに家に上がり込んだり、物やお金までも盗んだりしているようだった。
いつみは何か理由があるはずだと美礼とテラスで話し合うことになっていた。
美礼がいつみに責められると思い、殺したのだとあかねは思っている。
すずらんの花との関係性
→美礼がいつみから盗んだバレッタにすずらんの模様が入っている
・留学生 ディアナ.デチェヴァの考察
犯人は高岡志夜
→ホームステイでいつみとブルガリアに来た志夜は、いつみのものを隠したりするなど嫌がらせを行っていた。
いつみは思ったことをズバズバ言う性格であり、志夜のデビュー作である『君影草』の悪いところを挙げ、それが志夜には良く思っていなかった。
スズランの花との関係性
→志夜のデビュー作である『君影草』の別名がすずらん
・古賀園子の考察
犯人はディアナ.デチェヴァ
→ディアナはブルガリアのレバゴラド村から来た留学生であり、 ディアナ の学校への貢献度次第で村の留学制度が継続できる可能性があった。
しかし、いつみは レバゴラド村 との招待留学を辞めるように校長と経営者である父親に掛け合っていた。
いつみを殺せば学校と故郷の村との関係は継続できると思ったディアナの犯行だと園子は思っている。
すすらんの花との関係性
→ディアナの出身地である レバゴラド村 はすすらんの花が咲き誇っている
・高岡志夜の考察
犯人は小南あかね
→実家の料亭が火事で焼失し、オーナーになるはずだった洋食屋の話も無くなったあかねはサロンにあるキッチンで大好きなお菓子作りをすることが生きがいとなっていた。
しかし、いつみは卒業したらサロンを閉鎖すると言い、その日から、あかねが作ったスイーツを食べた後にいつみの体調は悪くなっていた。
あかねがいつみが食べるスイーツの中に薬物を入れており、最終的にはテラスから突き落としたと志夜は思っている。
すすらんの花との関係性
→志夜の腕のやけどの痣がすずらんの形をしている
何と、全員すずらんの花と何かしらの関係性があり、みんな怪しいように思えてきます。
では、事件の真実とは一体何なのでしょうか??
いつみの本性
→本当のいつみは腹黒い性格で学院内で全校生徒の上に立つことで優越感を満たしている。
自分が人生という物語の主人公になる為に脇役となるサークルの他のメンバーの秘密を握り、自分の都合の良い操り人形としていた。
そんな中、こっそり付き合っていた北条先生との間に子供が出来たことが父親にバレて中絶させられてしまう。
しかし、北条先生との交際は小百合しかしらず、その他に教師と付き合っている事やそれをいつみの父親に伝える事が出来るのは文学サークルの部員しかいない事に気づいたいつみは、部員たちに復讐することを心に決める。
- メンバーの秘密
・二谷美礼
→不特定多数の男性との援助交際
・小南あかね
→実家である料亭『こみなみ』放火の犯人
・ ディアナ.デチェヴァ
→自分が日本に留学したい為に姉であるエマを要塞跡から突き落とし、怪我をさせた
・古賀園子
→一流大学の医学部の推薦を得る為に、学校の経営者であるいつみの父に実行委員として近づき、書斎にあるパソコンから自分の成績表を書き換えていた。
・高岡志夜
→志夜のデビュー作であり文学賞を受賞した作品『君影草』は小さい頃に志夜が住んでいたフランスの短編集を真似たものであり、内容が全く同じの盗作だった。
いつみの復讐
→サークルの部員5人をテラスに呼び出して、目の前で自殺をすること。
遺書の代わりに産まれてくる子供につける予定だったすずらんの花を持ったまま。
そうすることによって、精神的に追い詰められると思ったから。
しかし実際には死んでおらず、事前に小百合と話し合い、地面に衝撃を吸収する素材なども用いて自殺したように見せかけたのだった。
そして、父によって離れ離れになった北条先生の所に行き、駆け落ちをしたのであった。
いつみの復讐はそれだけでは終わらず、さらに定例会の闇鍋に紛れ、鍋の中に強力な毒を持つすずらんの花を入れ、小百合以外の部員を殺すことで復讐を遂げようとしていた。
物語の結末
→いつみの非情であり冷酷な刺激的な魅力に惹かれ、最高のパートナーとしていつみに尽くしてきた小百合。
しかし、これから大好きな北条先生と一緒に暮らせることや、ささやかな暮らしだがそこに幸せを見つけ生きていこうとしているいつみから、以前の輝きが無くなっていった事を感じた小百合は、自分の方が物語の主人公に相応しいと思い、いつみの飲み物に毒性を持つすずらんの花を入れて殺害し、いつみの肉を鍋に入れ、サークルの部員に罪の意識を背負わせたのだった。
そして主役となった小百合は、いつみの代わりに文学サークルを支配していくのであった。
まとめ
→前半と後半のいつみの人間性の違いがとにかく衝撃的!
いつみに高校生にしながら、人の弱みに漬け込み相手を支配していた所に驚きましたが、
さらにラストの小百合のサイコパス具合がに、イヤミスの一筋縄ではいかない後味の悪さが出ていて、とても面白かったです😆
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